岩手県ILC推進協議会

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ILCとは

ILCとは

International linear Collider(国際リニアコライダー)とは、全長20キロメートルから50キロメートルの地下トンネルに建設される大規模研究施設のこと。大型の線型加速器としては、世界最高・最先端の電子・陽電子衝突型加速器です。世界中の研究者が協力し、「世界に一つだけ」建設しようという計画が進んでいます。

ILCのしくみは

地下約100メートル、全長20キロメートルの地下トンネル内で、電子と陽電子を光速に近い速度まで加速させ、正面衝突をさせます。すると、宇宙誕生から1兆分の1秒後の状態がつくり出されます。「ほんの一瞬」だけビッグバンが再現され、質量をつかさどる「ヒッグス粒子」をはじめとして、さまざまな 粒子があらわれます。

これらの粒子を観測することにより、どのようにして宇宙が生まれ、物質が生まれたのかという、人類が長年抱いてきた謎の解明に挑むことができます。 また、加速器技術の応用範囲は、医療・生命科学から新材料の創出、情報・通信、計量・計測、環境・エネルギー分野まで多岐にわたると考えられています。

ILCでわかること

スイス・ジュネーブ近郊のセルン研究所に「LHC」という世界最大の加速器があります。周長27キロメートルの円形加速器で、2012年7月、ここで 「ヒッグス粒子」が発見され大ニュースとなりました。LHCもILCもヒッグス粒子を調べるための加速器ですが、大きな役割の違いがあります。LHCは複合粒子である陽子と陽子を衝突させます。一方、ILCは素粒子である電子と陽電子を衝突させて新たな素粒子をつくるので、反応が分かりやすく、ヒッグス粒子の詳しい特性を知ることができます。

用語解説

陽電子

電子の反粒子のこと。陽電子は電子と逆のプラスの電荷を持っている。

ビッグバン

宇宙の初めに起きたとされる大爆発のこと。ビッグバン理論は今から約137億年前に起こった爆発(ビッグバン)によってこの宇宙が始まり、引き続く宇宙膨張の中で、素粒子や原子、分子、星、銀河が創られたという理論。

ヒッグス粒子

水が海を満たすように宇宙を満たしていて、素粒子に質量を与えると考えられている粒子。ビッグバンの直後にあらゆる素粒子は質量を持っていなかったが、宇宙が膨張し冷えた段階でヒッグス場の海が形成され、素粒子はその海の抵抗を受けて動きにくくなり、その動きにくさが質量につながったと考えられている。

素粒子

物質を構成する最小単位、それ以上分割できない粒子のこと。

ILC研究所ができること

誘致が実現すれば、世界中からILCを建設する加速器の研究者、各種技術者らが東北に集まってきます。また、研究が始まれば、3000人近い研究者とその家族が暮らすようになり、多文化が共生する国際都市が東北につくられます。私たちの身近なところに国際的な「知の拠点」が形成され、最先端の研究を見られることは、子どもたちの知的好奇心を刺激し、夢を与えることにもなるでしょう。

東北復興につながるILC

震災からの真の復興のためには、震災前の状態に戻すだけではなく、東北、そして日本復興の象徴となる取組が求められます。
本県の北上山地が有力な候補地になっている国際リニアコライダー(ILC)は、世界最先端の素粒子研究施設であり、これを核とした、国内外の研究者が居住する国際学術研究都市の形成と、関連産業の集積等を図ることが、真の復興につながります。
そのため岩手県では、東北の産・学・官と連携し、ILCの東北誘致に取り組んでいます。

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